『被害者のような顔をして、この会議に劇薬を持ち込んだ裏切り者がーーー
犯人が、この中にいる。』
たまには読書ネタ。
浜辺美波さんたち豪華キャストで実写映画化もしたので有名ですね。
スピラリンクス。初任給破格の50万円のいま爆発的に伸びているベンチャー企業。
その新卒採用、応募総数5000人を超える中から最終選考に残った6人。
語り手である、波多野祥吾。
祥吾が密かに想いを寄せる、嶌衣織
リーダーシップがあって何よりフェアを信条とする、九賀蒼太。
モデル並みの美しさを持つ、矢代つばさ。
言葉数は少ないけど資料作りなどで裏方は任せろ、森久保公彦
ムードメーカーで元野球部の、袴田亮。
最終選考のグループディスカッションのために、最高のチームを作り上げること。
みんなで内定取ろうと、いい雰囲気でチームを作る6人に告げられた一通のメール。
「今年の採用枠は一つに。6人の中で誰が最も内定に相応しいか議論してもらいます」
何これ、就職活動版バトルロワイヤルか。
そして迎える最終選考の場で始まる投票と、
謎の封筒に仕込まれた、次々に明らかになるメンバーの悪質な過去。
仲が良かったはずの6人がバラバラに崩れていく。
いったい封筒を仕込んだ犯人は誰か。
そして、最終選考に残るのは誰なのか・・・。
前半、最終選考編。
後半、選考に残った人間が、犯人を捜すパートに分かれてます。
前半でズタボロになってた6人の印象が、
後半で違う側面を持つように見えるのは素直に凄いと思った。
6人とも嘘つき。でもその嘘には優しさや気遣いもあって。
善人とは言い切れず、でも悪人でもない。
人間ってそういうものだよね・・・と思うとても面白い一冊でした。
とりあえず、この地獄のような選考を止めなかったスタッフは
あとでこっち来るように。